旬の選りすぐり産品特集~Vol.2 横浜特産の梨『浜なし』~

第2回旬の選りすぐり産品特集は、横浜特産の梨「浜なし」です。
今回は、神奈川県横浜市で、浜なしを生産している6名の生産者さんにお話を伺いました。
(取材協力:JA横浜果樹部会、JA横浜、ベシフルコミュニティ神奈川、横浜市環境創造局)
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本特集の公開にあわせて、かなさんの畑では「浜なし」を50ケース限定で販売します。
今回の商品は、お話を伺った6名の生産者に丁寧に育てられたものです。 ぜひお買い求めください。

今回の生産者はJA横浜果樹部会に所属されています。

落合 康裕さん
(おちあい
やすひろさん)
緑区小山町

小島 資久さん
(こじま もとひささん)
緑区北八朔町

菅沼 和雄さん
(すがぬま かずおさん)
緑区北八朔町

菅沼 隆春さん
(すがぬま
たかはるさん)
緑区北八朔町

菅沼 雄二さん
(すがぬま ゆうじさん)
緑区北八朔町

吉浜 巧さん
(よしはま たくみさん)
緑区北八朔町
今回は、私たちベジフルコミュニティ神奈川が浜なしの畑を取材しました!
- 私たちは、日本ベジタブル&フルーツマイスター協会の認定する「ベジタブル&フルーツマイスター(野菜ソムリエ)」として、神奈川県の野菜や果物を広めていく活動をしております。
- 神奈川県は、山あり、川あり、海ありと豊かな自然にも恵まれ、おいしい野菜や果物を生産しています!
- また、都市部に近いということもあります。ぜひみなさんも、神奈川の野菜や果物を愉しみましょう!
ベジフルコミュニティ神奈川については、下記ホームページもご覧ください。
http://vfckanagawa.cocolog-nifty.com

お話を伺った6名の生産者さんと石川さん、真田さん
えー!あの「浜なし」がかなさんの畑で買える?!

浜なしと言えば、ほぼ100%が直売で販売されており、直売所へ行けばシーズン中は朝早くから行列が出来るところもあるほどの人気ぶり。
がんばらないと買えない貴重な梨として、私たちVFCかながわ野菜ソムリエの間でも有名です。
美味しいと一言で片付けるには、あまりにももったいない味わいについては、後で触れるとして、ご存じない方のために「浜なし」とは・・・。
これは梨の品種などの名ではなく、JA横浜果樹部会の生産者が統一して使用している横浜フルーツブランドの名前。つまり横浜で栽培されている梨の総称です。浜ぶどう、浜かきなど「浜」と名のつく果物の中で、もっとも歴史があり、栽培のスタートは昭和20年代まで遡ります。
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一度食べた人の心を離さない美味しさと、直売所以外ではなかなか手に入らない秘密はどこにあるのか?そのなぞを探るべく、行って参りましたのは、横浜市緑区北八朔町。小高い丘と川の間の、横浜でも珍しい水田地帯にある松風園さん。雨降りの中、浜なしの品評会の上位に名を連ねる錚々たる生産者さんが迎えてくださいました。 伺ったのは7月の始め。梨園は最終段階の摘果(注)が済み、大きくなって完熟するのを待つばかりの梨たちが、鈴なり。畑ごと網ですっぽりと覆われ、目の高さ位に張ってあるワイヤーの上を這うように、縦横無尽に、でも整然と、枝一本一本が誘引されています。この畑を見ただけでも、生産者さんがどれだけ大事に育てているかが伝わって来るよう。 (注)良質のものを得るために、幼いうちに間引くこと。 |
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実際、横浜の10倍以上の規模を誇る大きな梨産地の方からは「かながわの衆は木ばっかり丁寧につくっている」と、冷やかされることもあるそうですが、実はこの一本一本の枝に目をやり手をかけることが、浜なしの美味しさに大きく関わっているのだそうです。
先ほど最終段階の摘果が済んだ、と書きましたが、それは「今年の収穫直前の」、と言う意味で、梨の手入れに休みはありません。それどころか、収穫の時期に前後して、既に翌年、翌々年の梨の出来を思い描いての作業が行われているそうです。1年の作業は、収穫後にお礼肥やり(施肥)、枝の剪定、誘引、春の摘蕾、授粉、摘果、水や下草の管理、設備の保守点検など多岐にわたり、かつ複数回行うものもあります。
| 肥料だって、たくさんやればいいというものではなく、収穫までにしっかりと梨が使いきっている適量でなければ、美味しい梨にはならないそうです。剪定は、「木一本一本が元気かどうか疲れていないか」、「一枝一枝、先端まで樹液がすんなり流れそうな太さや素直さ、しなやかさがあるか」、「新しく出た芽は、再来年元気な枝になり、美味しい実りがありそうか」などを見極めつつ、天気や気温と相談しながら、遅くも早くもない、ちょうど良いタイミングで行っていくそうです。 加えて、自然に任せすぎずに大玉の形良い実をならせるための授粉は、開く寸前の花から花粉を採取する、息の詰まりそうな繊細な作業にはじまります。 |
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更に、この地で30年以上梨の栽培を続けている大ベテランの生産者さんでさえ、毎年数回行われる栽培講習会に参加したり、生産者同士で畑を巡回して見合ったりと、梨作りの技術を磨き合っているというのです。梨づくりの奥深さに思わず感嘆のため息が出ました。 どおりで、先ほどから皆さん、顔にかかる雨粒など気にもとめないで、梨を見上げ、枝振りや実、葉っぱの健康状態を観察している様子。文字通り丹誠込めた梨ですから、自分の梨園でなくともその出来栄えが、本当に気がかりなのでしょう。あまりの熱心さに、「浜なし」の美味しさの一端を見た気がします。

さて、それでは、もう一つの疑問、どうして直売所以外ではなかなか手に入らないのでしょう?その答えは・・・やはり美味しさへのこだわり。
私たちが見せていただいた時、一枝には収穫を控えた実が十数個程度なっていましたが、その十数個は、新芽、幼枝、蕾、数回の摘果という何段階もの篩いを経て、選抜された「十数個」なんだそうです。そしてさらにここから、思いがけず虫にやられてしまったり、大きくなった自分の重さに耐えきれなくなったりして、自然に落ちてしまうものもあるので、その数は更に減ります。
また、木の上で充分に完熟させて、おいしくするという、生産者の最後にして最大のこだわりに叶うものだけが収穫され、「浜なし」になるのです。完熟した分だけ収穫し、その日に収穫した分だけを売る。だから、残念ながらスーパーや青果店に並ぶほどの量を確保するのはとても難しいのです。

そして、その完熟かどうかの見極めは・・・生産者さん曰く「皮のブツブツがふわりと開くような感じになる」とか。でもそれがわかるのは、生産者さんならではの経験と観察眼、記憶力のなせる技であることは間違いないでしょう。
実りを繰り返し、横浜の季節を少しずつ記憶しながら成熟して、落ち着いた頃の木は、美味しい梨を実らせる。と、生産者さんは口を揃えます。美味しい梨を実らせてくれる木の寿命は、平均すると20年から25年ということですから、毎年おいしい「浜なし」を一定量作り続けることが、そう簡単でないことが本当によくわかりました。

それでもうれしいことに、この地区では一方で代替わりしていく木を育てながら、毎年少しづつ収量を増やしてくれていて、今回の販売が可能になった、ということ。さすが、美味しさに強くこだわり、北部「浜なし」発祥と言われる梨づくりと販売を手がけてきた皆さんです。
始めた時は、リヤカーを引き、主だった駅に立ってビラ配りまでして一つ一つ売っていたそうですが、今や生産者も後継者なら、2代続けてつきあってくれているお客さんもいるとか。そんな方々から贈答にと「浜なし」は日本全国へ送られています。でも、発送は梨の完熟の都合なので、お中元やらお盆やら人間の都合には合わないこともしばしば。お訪ねした北八朔の直売所にさえ、全体の2割ほどしか並ばないそうです。

だから、がんばらないと買えない。でも、シャリシャリとしたさわやかな食感とこぼれ落ちるたっぷり果汁ののどごし、完熟のなめらかな甘みと調和する酸味を味わうと、それを知らなかった時にはもう戻れません。
がんばってでも買いたい梨であることが取材を通して、更によくわかり、かながわに「浜なし」があることを、心からうれしく感じます。
あ、そうか!今ならかなさんの畑で買えるんだった!
<この特集の執筆は、シニア ベジタブル&フルーツマイスター(野菜ソムリエ)の石川アミさんにお願いしました>



