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旬の選りすぐり産品特集~Vol.3「大磯の大玉柿」~

特集 旬の選りすぐり

第3回旬の選りすぐり産品特集は、大磯の大玉柿です。

今回は、神奈川県大磯町で大磯の大玉柿を生産している6名の生産者さんにお話を伺いました。

(取材協力:大磯町落葉果樹研究会、JA湘南、ベジフルコミュニティ神奈川、大磯町)

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大磯の大玉柿を「かなさんの畑」で購入できます!

本特集の公開にあわせて、かなさんの畑では「大磯の大玉柿」を20ケース限定で販売します。

今回の商品は、お話を伺った6名の生産者に丁寧に育てられたものです。ぜひお買い求めください。

販売は終了しました。

ご注文されたお客様へ(支払方法などについて)

 

今回のかなさん

今回の生産者は大磯町落葉果樹研究会に所属されています。

渡辺 敏文さん

渡辺 敏文さん

(わたなべ
 としふみさん)

大磯町寺坂

伊沢 権蔵さん

伊沢 権蔵さん

(いざわ ごんぞうさん)

大磯町黒岩

石川 雅明さん

石川 雅明さん

(いしかわ
 まさあきさん)

大磯町大磯

岩田 昇さん

岩田 昇さん

(いわた のぼるさん)

大磯町寺坂

近藤 純子さん

近藤 純子さん

(こんどう すみこさん)

大磯町国府本郷

鈴木 教夫さん

鈴木 教夫さん

(すずき のりおさん)

大磯町寺坂

今回は、私たちベジフルコミュニティ神奈川が「大磯の大玉柿」の畑を取材しました!

  • 私たちは、日本ベジタブル&フルーツマイスター協会の認定する「ベジタブル&フルーツマイスター(野菜ソムリエ)」として、神奈川県の野菜や果物を広めていく活動をしております。
  • 神奈川県は、山あり、川あり、海ありと豊かな自然にも恵まれ、おいしい野菜や果物を生産しています!
  • また、都市部に近いということもあります。ぜひみなさんも、神奈川の野菜や果物を愉しみましょう!

ベジフルコミュニティ神奈川については、下記ホームページもご覧ください。
http://vfckanagawa.cocolog-nifty.com

私たちが取材しました!

お話を伺った生産者さんと野菜ソムリエの石川さん

「大磯の大玉柿」とは…

大磯の大玉柿

 

柿といえば、日本の秋の風景には欠かせない果物。
都会では珍しくなったとはいえ、穫る人のいない庭先の柿が、熟した実を路に落としている、なんて光景も目にする季節。
今回の「かなさんの畑」では、そんなあまりにも身近な柿のイメージを一変させる、逸品中の逸品「大磯の大玉柿」をご紹介できることになりました。

柿畑の風景

 

今回の柿が逸品と云われるそのわけは、大きく2つ。
1つは、「どの品種も大玉であること」。もう1つはそれを生み出す「生産者の名人技」。この2つが重なって希少性も増している「大磯の大玉柿」は、既にその高い価値を知る人々によって、長い間買い支えられており、前回の浜なし同様、現地へ足を運ばずしてそう簡単に手に入れられるものではありません。

 

では、早速その価値を紐解いてゆきましょう。

柿の王様「太秋」の育ての親?!

柿の新品種「太秋」

 

ここ数年、にわかに注目を集めている柿の新品種「太秋」をご存知ですか?
平均350gと言われる大玉で、今までの柿とはひと味もふた味も違うさわやかな食感と、さっぱりとした上品な甘さの果汁がたっぷりなのが特徴。柿の王様とも言われ高級柿の代名詞として知られるようになり、市場では高値を呼び、年々手に入りにくくなっています。

 

この「太秋」が新品種として発表されたのは1995年。「桃・栗3年、柿8年」で、柿が実るのには、5~8年かかります。人気となった現在でも、まだまだ柿全体の栽培面積の1%程度の生産量しかありません。さらに、生産者さんがその品種の可能性を見極め、商品として仕上げていくのにまた時間がかかっているでしょうから、今現在「太秋」を高品質で栽培している生産者さんは、まだまだ全国的にも珍しい先駆的な存在と言えます。

「大磯落葉果樹研究会」のみなさん

 

その先駆的存在が、今回のかなさん「大磯落葉果樹研究会」のみなさんです。

 

中でも、会長の渡辺敏文さんは、今から遡ること18年前、まだ「太秋」と命名される前、研究番号で呼ばれていた頃から栽培に携わり、さまざまなデータを提供したり、「太秋」の特徴を生かした栽培技術の研究を積み重ねて来た貴重な方。言わば「太秋」の育ての親の1人。野菜果物の大産地でのブランド化の前には、いつも神奈川の高い生産技術がありますが、今回の大玉柿はその中でも特筆すべき技術、名人技と言えるのではないでしょうか。

柿を、大磯を、農業を愛する 作家のような翁~人は名人と呼ぶ~

名人の渡辺さん

 

渡辺さんの柿栽培の歴史は、昭和30年代から。多くの生産者がみかんの栽培に乗り出している中、「みんなでみかんを作ったら競争になるし、自分の土地には柿が向いている」、と考えた渡辺さんは一人、柿を植えます。当時はそんな渡辺さんを冷笑する声もあったとか。しかし、時を経て今となっては、渡辺さんは柿名人と呼ばれ県内の生産者の間でも有名です。

 

それもそのはず。大玉品種とは言え「太秋」も渡辺さんの手にかかると600gもの大玉が実ることもあるほど。それが、「太秋」だけでなく、富有も大磯早生も伊豆も次郎もと、渡辺さんの畑の柿は全て大玉。200g以下の柿はありません。渡辺さんが柿名人と呼ばれる所以は、この大玉柿づくりの技術にあります。

柿の木

 

渡辺さんの柿の木は、日本の原風景に見る柿の木、いかにも古そうな大木で、葉は木枯らしに吹き落とされ、鈴生りの柿が、遠くからでも見えるといったような姿とは大きく異なります。背の高さはせいぜい2mくらい。枝には、青々として張りがあり水をたっぷり含んでいそうな、厚みのある大きな大きな葉っぱがたくさんついています。そしてその間にぽつりぽつりと柿の実が。大きくしなり、地面につきそうなほど垂れ下がる枝もあって、柿の重さを物語っています。

葉

 

「おいしい柿には、この葉っぱが肝心」と語り始める渡辺さん。葉は実を作るための大事な栄養補給機なので、柿を収穫した後もまだ落ちないくらい元気に育てる必要があること、その葉は、日当りの加減などによって、上に反ったり、平になったり、下向きにまるまったりと、表情を変えること、葉20枚につき1つしか実らせないこと、など次々に伺うと、渡辺さんが納得の行く柿をつくるために、ひとつひとつをいかに真剣に見つめているかが伝わって来ます。

番号札

 

また木にはそれぞれ、数字を書いた札が下がっているのですが、それは実をならせる枝の数。枝が何年目でどんな向きでどんな勢いがあるのか、木全体としてどれくらい体力があるのか、柿を知り尽くした名人の緻密な判断があって決められています。この枝1本あたり平均2.5個の柿を実らせるので、写真の木なら、枝50本×2.5=125個収穫できる計算になるという訳。

 

私のような素人は、果樹はその実りの量が裏年、表年によって左右されるのが常識だと思っていますから、つい「今年の出来は?」などと尋ねてしまうのですが、名人は涼しい顔で「毎年同じ」と答えます。毎年同じように安定的に高品質の柿を作ることができるなんて…この一言で、大磯の大玉柿づくりの真髄を見せつけられた気がしました。

こだわりは、柿の「うまさ」

大磯の大玉柿

 

それに、名人のこだわりは単に大きさだけではありません。「ただ甘いだけなら、砂糖をなめればいい。柿には柿のうまさがあるのだから」と、味へのこだわりも頑固なほど。受粉の時は「これをいい加減にすると、渋が残る品種もある」と真剣ですし、収穫の時は「みんな赤く見えてしまうから、夕方になったら柿をもがない」と色づきに妥協を許しません。「食べる方の立場になって作れ」と言うのは、半ば口癖。柔和な表情、穏やかな口調とはかけ離れた、生産に対する厳格な姿勢。思わず恐れ入りましたと平伏したくなるようです。

渡辺さんに教えていただく

 

ところで、こんなに大玉柿づくりの栽培技術を惜しげもなく語っていただいて、いいのでしょうか?率直に渡辺さんに尋ねると「いいんだよ。みんなに教えているんだから。でもね、大玉になるとわかっても、なかなか実を減らせないから、簡単にマネはできないよ。」とのこと。どんなに教えても、どうしてもたくさん穫れる方が良いと思ってしまうので、名人の言うとおりに作る人は多くないとか。

 

けれども大磯落葉果樹研究会に集った方々は、名人とともに大磯大玉柿の歴史を作ってきたので、メンバー同士お互いの技術や品質を確かめ、高め合うために巡回も欠かしません。確かな品質が保たれる秘密は、こうした地域の強い「つながり」の中にも隠れているようです。

渡辺さんと石川さんにお話を聞く

 

しかしながら、大磯落葉果樹研究会もその歴史と比例して高齢化が進み、名人の渡辺さんは御年76歳。体力的にまかないきれない作業も出てきて、現在では息子さんがおつとめの傍ら大玉柿づくりを支えています。

 

一方、様々な事情でやりきれなくなった方の柿を受け継いで、10年以上前から、石川雅明さんが名人の教えを踏襲した大玉柿づくりに参入しています。「木一本一本と向き合って個性を見極め、勢いに合わせて実らせることで、均整の良い木に成長してきた」と、大玉柿栽培の面白みを語ってくださった石川さん。それを示すかのように、昨年開かれた平塚・大磯・二宮の柿生産者がその出来映えを競う『柿持寄品評会』で、石川さんの富有柿は、特選に選ばれました。

接ぎ木

 

また、石川さんは接ぎ木によって、少しづつ収量を増やす努力をしてくださっているそうで、大磯大玉柿の今後に光明が射す様です。
私も、大磯の大玉柿を愛し、食べ続けることで、名人の技を守り、受け継ぐ人たちを支えたいと思うのです。

作家物の器のように、愛でて楽しむ大玉柿

ヒビ割れが入った「太秋」

 

さて、このように名人の技と心を共有して作られる大磯大玉柿。すぐに食べるのはあまりにも惜しく、作家物の陶器のように、まずしっかりと愛でて楽しみたくなります。両手いっぱいになりそうな大きさを手でしっかりと受け止めて。また特に「太秋」には、独特の条紋と呼ばれる輪状の細かいヒビ割れが入ることがあり、これがマスクメロンで言うところの編み目のような、うまみと栄養をたっぷり蓄えた実の成長に、皮が追いつかなくて起こる現象なので、この条紋が出ているかどうか、じっくり見てみたいのです。「太秋」開発者のデータによると、この条紋が出た所は、糖度も高くなるとか。

 

他にも、完熟していないのではと疑いたくなるような、少し青みを帯びた皮の色からくる印象と、実際の美味しさとのギャップに驚くのも一興。「太秋」という柿の魅力を、味わいながら理解していく過程がまたたまらなく面白い時間です。

 

今回は、「太秋」だけでなく、富有や次郎といったおなじみの品種の大玉柿と一緒という、贅沢なセットですから、まずは手で目で、ずっしりとした幸せな重みや立派さを堪能してから、食べ比べもいいですね。
どうぞたっぷりともったいぶって切りわけ、大事な人とわくわくしながら味わってください。

 

<この特集の執筆は、ベジタブル&フルーツマイスター(野菜ソムリエ)の石川アミさんにお願いしました>

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