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地産地消のススメ

かなさんの仲間通信~地産地消の輪

第15回 パン工房穂土(ほと)・エコファーム 佐々木 人道さん

私が農業を始めようと思ったのは、まだ会社員として働いていた2002年(H14)にジョギングをしていて見つけた戸塚区東俣野にある農園の一角を、お借りしたことに端を発します。その農園では、個人の割り当て区画(4m×8m)を好き勝手に耕作するのではなく、1反(10a)ほどの畑全体を15~20名ほどで耕作し、収穫は自分の割り当て区画から頂くというシステムでした。毎週、専業農家の方が指導に来てくださり、年間作付け計画から播種(はしゅ)・化学肥料の施肥方法や動力噴霧器を使った農薬散布まで教えていただき、新鮮野菜を食べることができました。取れたての野菜ですから確かに美味しいのですが、虫一匹居ない畑の野菜を食べる事に何か納得できない気持ちがありました。また、サラリーマン時代は会社帰りに美味しい物の食べ歩きなどもしましたが、本当に美味しい食べ物って何だろう?…と疑問を持ちはじめていました。

袋詰めされたニンジン

そんな中、都内の就農フェアを見学に行き、たまたま目にしたリーフレットの写真に驚かされました。その写真には、雑草の中でキャベツや白菜がしっかりと大地に根を降ろして育っていました。この時、こんな理想の畑を自分で作ってみたいと思いました。

袋詰めされたミニトマト

その後、厚木市に移り住み、2008年に早期退職者制度で会社員を辞めた時に、体が動かなくなるまでできる一生の仕事として農業を選択して、農業アカデミーに入学し、理想の畑作りへの第一歩を踏み出しました。そして隣接する愛川町で畑を借りることができ、『エコファーム』と名づけました。エコとは、本来はエコロジー(=生態学:生物と環境の関係を扱う学問)の接頭語であったようですが、現在では「エネルギー等を節約する」という意味や「地球環境にやさしい」というような様々な使われ方をしています。私は、野菜の生育に畑の自然環境がどのように影響するかを学び、環境を整えていくエコロジーの実践が、結果的に農薬や化学肥料のコストを無くした経済性を実現するのではないかと考えて『エコ』を冠しました。また、昔から行われてきた有機質肥料だけを使って栽培する農法なら、本当の野菜の味を消費者に楽しんでもらうことができると思います。この『エコファーム』で作った私の野菜には、『味自慢の野菜』のラベルを貼りJAの直売所や地元厚木のスーパーで販売しています。

パン工房穂土

また、同じ年に自宅を改装して妻と経営する、国産小麦と天然酵母を使ったパン工房『穂土(ほと)』をオープンさせました。『土』の字を入れたのは、私の耕作する畑の土から生み出される野菜たちをパンの食材として使っていこうという思いからです。地産地消を心がけ具材も殆どが手作りの体にやさしいパンを作って販売しています。

農場もパン工房も根底に流れる考え方は、自分たちの子供に食べさせることのできる安心・安全な食材を消費者の方にお届けしたいという思いです。同じような思いの仲間が増えることを望んでいますし、先人の智慧(ちえ)を途切れることなく継承していきたいと思います。

執筆者プロフィール

佐々木人道さんの写真

佐々木 人道(ササキ ヒトミ)

1963年5月生。

パン工房穂土(ほと)・エコファーム 代表。

サラリーマンを21年勤め退職後、新規就農して野菜の有機栽培を始めるとともに、野菜も使ったパン工房を始める。

オートバイ・キャンプ・登山・スキューバダイビングなどのアウトドアスポーツが好きで、現在の野外活動の総まとめとして『農業』を選び実践中です。また、妻と経営するパン工房「穂土(ほと)」で食の安全、すなわち子供達に何を食べさせるべきか、食べるとはどういうことかについて、ともに学んでいます。

◆有機農業ネットワーク神奈川 会員

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