トマト
かながわで出回る時期 | 通年 |
かながわのトマト
原産地は南アメリカで、日本には観賞用として17世紀ごろ入ってきました。食用にされ始めたのは明治時代からで、神奈川県内では、大正中期に藤沢市で篤農家がガラス温室で栽培したのが最初であるといわれています。川崎市では大正の末頃から栽培が始まり、昭和5年頃には「赤なす」と呼ばれていました。本格的に栽培が始まったのは昭和になってからです。
神奈川県のハウス栽培では、3月~6月にかけて収穫量が多くなります。近年は露地栽培が減少していますが、露地では6月から7月が旬になります。また、ハウス栽培では、ICTを利用して温湿度、二酸化炭素、土壌水分などを測定し、品質が高く、収量の確保ができるように最適な環境を保ちながら栽培する方法が徐々に広がっています。
品種は「桃太郎」系や、病害虫の被害を受けにくく、食味の良い品種が栽培されています。
ハウスでの促成・抑制栽培、露地栽培などが、周年出荷されています。
周年出荷されるトマトは、大きく冬春トマト(12~6月)と夏秋トマト(7~11月)に区分されています。冬春トマトについては、種まきから収穫終了までの期間が1年近く長期にわたる作型もあります。
ワンポイントアドバイス
新鮮なトマトは、ヘタが深緑色でハリがあります。ヘタの鮮度がよく、果実全体が色むらなく着色していて、丸みのあるもの、割れや傷のないものを選びましょう。収穫後も熟度が進み、リコペンが増加して赤みを増しますが、糖分や甘味は時間の経過とともに減少します。完熟したトマトは、冷蔵庫などの温度の低いところで保存し、品質が低下しないうちに、消費しましょう。
神奈川由来の品種
- 湘南ポモロン(しょうなんぽもろん)
生食・調理兼用という特性を持つ品種の育成を行い、平成25年に「湘南ポモロン・レッド」「湘南ポモロン・ゴールド」を開発しました。レッドは、果肉が鮮赤色で硬く、生食用として利用でき、アミノ酸は1.2培、リコペン含量は1.5倍あり、調理加工用にも適しています。ゴールドは果肉が黄色で硬く、アミノ酸含量は調理加工用品種と同等程度で、生食用、調理加工用として利用できます。